TOPICS

【リンクアット・ジャパン人事部】仕事のヒントvol.9 求める人材像

時代によって、社会が求める人材像は変わるものです。

 

私が子どものころ(かれこれ40年以上も前のことです)、今と同じように、子供向けのヒーロー番組がありました。

仮面ライダーとか、ウルトラマンとか、レンジャー戦隊ものとかです。

正義の味方、ヒーローの姿を毎週ワクワクしながら見たものです。

(当時はビデオもなかったので、放映時間を逃したら再放送まで見ることはできません。)

 

当時のヒーローに共通していたことがあります。

それは「正体を知られてはいけない」というものです。

(ゴレンジャーははっきりとは覚えていませんが、仮面ライダーやウルトラマンはそうでした。)

自分が仮面ライダーである、ウルトラマンであるということは、知られてはいけないのです。

 

だから、いくら自分が傷ついて人々を守ろうとも、賞賛も感謝もされません。

場合によっては、戦いの現場にいない、間抜けなヤツという扱いすら受けます。

でも正体がばれるときが来ます。それが最終回です。

自分が正義の味方だと分かった瞬間、賞賛や感謝をされるまもなく、話が終るのです。

ちょっと切ないものでした。

 

それから数十年経ち、自分の子どもとヒーローものを見るようになりました。

驚きました。みんな人前で正義の味方に変身しているのです。

自分が正義の味方だということを、誰に隠すことなく、おおっぴらにしています。

ああ、時代は変わったのだ。そう思いました。

 

かつてのヒーローたちは、自分が良いことをしていることを隠していた。

今のヒーローたちは、自分が良いことをしていることをオープンにしている。

これは、大きな違いです。おそらく、その時代に社会が求める人材像が変わったのでしょう。

 

私が子どものころは「縁の下の力持ち」「沈黙は金、雄弁は銀」「不言実行」などの言葉がありました。

人を褒める言葉です。誰に知られることなく、みんなを支える人が、立派だとされた。

ぺらぺらしゃべるよりも黙っている人、何も言わずに黙々と何かを行う人、

そういう人が立派な人とされていました。

 

現在はどうでしょう。「リーダーシップ」「プレゼン力」などが肯定的な言葉として使われます。

目標を掲げ、人々をまとめて、先頭に立って行動する。

自分が考えていることを、明朗快活に人前でしゃべれる、そういう人が出来る人とされます。

 

どちらが良いとか、悪いとかいう話ではないのでしょう。

時代によって、求められる人材像が変わるということなのでしょう。

そうであれば、いま求められている人材像も、これからも変わらないとは限りません。

 

今年の8月に、アメリカのビジネス・ラウンドテーブルという経営者団体(日本の経団連のようなもの)が、

1997年に宣言した「株主第一主義」という旗印を下ろしたそうです。

株主第一主義とは「会社は誰のものか?」という問いに対して当時出された宣言です。

「これからは従業員や取引先、地域社会など企業に関わるすべての人の利益を尊重する経営に取り組む」。

そう宣言したそうです。

行き過ぎた資本主義が行き詰まりを見せ、このままでは社会が持たないと実感したのでしょう。

 

そうであれば、社会が求める人材像も変わるはずです。

自社の利益のみを追求し、株価を上げるような能力のある人材から、

従業員、取引先、地域社会など企業に関わるすべての人の利益を尊重できる能力を持った人間が求められるはずです。

(日本はアメリカの後追いをしますから、この変化は数年後には日本でも起るはずです。)

 

具体的にどんな能力が求められるのかはわかりません。

ただ、株主のことだけを考えれば良いという、単一の基準で思考し、行動するだけではダメでしょう。

広い視野に立ち、相反する利益を求める人たちを調停できる、そういう思考と行動が求められるはずです。

 

そういうことを頭の片隅に置きつつ、数年後に備えたいものです。

更新日:2019/10/25